2014年8月24日日曜日

2014年度東松島市・石巻市学習支援プロジェクト報告!

文責:栗生恭輔


ご無沙汰しております!
学習室ブログ、久々の更新です(^^;


今回は、今年度の学習室宮城遠征についての記事です。



84日から88日の5日間にわたって、今年度も東松島市・石巻市学習支援活動を行なってきました!


当団体では2年前からこの支援活動を行なっており、東松島市は3年連続、石巻市は2年連続の支援活動となりました。
昨年度の支援活動の記事はコチラです




この支援活動には2つの大きな目的があります。1つ目は、震災の影響を受け、仮設住宅に暮らしていたりしてなかなか勉強する空間が確保できない子どもたちのために、勉強できる環境を提供すること。そして2つ目は、高校受験を控えた中学3年生をサポートすることです。


今年度も午前中は東松島市内の会場で、午後は石巻市内の会場で活動を行ないました。


各会場の詳しいレポートについては学習室のFacebookページ(https://www.facebook.com/todoyokoschool)で更新しているので、ぜひ合わせてご覧いただければと思います!





現地での学習支援も今年で3年目となり、当団体としてもある程度ノウハウができてきたということで、各会場とも密度の濃い支援活動が行なえたのではないかと思っています。


仮設住宅の集会所や市民センターといった会場では小学生が多く参加しました。そこで、各会場とも「いかに楽しく集中して勉強してもらえるか」ということを考え、休み時間の設定のタイミングやおもしろい勉強ゲームをはじめ、様々な工夫を凝らしながら子どもたちに勉強を教えました。

基本的にメンバーは会場毎にチームを組んでいましたが、毎晩宿でミーティングを行なったチームも多く、特に最終日前夜は子どもたちに贈るお別れのメッセージカードを夜遅くまで作っている光景もちらほら見かけました。



チーム毎に分かれてのミーティング




そんなメンバーの真剣な想いが伝わったのか、日を増すごとに、子どもたちと大学生の仲が深まるにつれて、子どもたちの勉強の密度が濃くなっていったように感じました。

学校で出された夏休みの宿題はもちろん、大学生が作った算数パズルなどにも積極的に取り組む姿が見られました。



東松島市内の市民センターでの学習の様子




東松島市内8会場で唯一の中学校となった矢本第一中学校では、高校受験を控えた中学3年生が連日教室に足を運んでくれました。初日はとてもよそよそしい雰囲気でしたが()、日が経つにつれ質問の数も増え、こちらとしても子どもたち一人ひとりの特徴をつかんだことで、その子に合った指導ができたのではないかと思っています。


石巻市での支援活動は中学生のみを対象としたもので、3日間という比較的短い期間でした。しかし、こちらの会場でも日を追うごとに子どもたちと大学生の仲が深まり、最終日には自分から勉強のコツを聞いてくる子どもも出てくるほど信頼関係が構築されました。





また、今年も各会場とも朝の会や帰りの会の時間に「大学生のお話」なるものを意識的に取り入れました。これは普段の学習室でも行なっていることですが、大学生が自分の経験や身近なニュースを通して、勉強だけに限らないモノの見方や考え方を子どもたちに伝えるというものです。


私たちは学習支援ということで毎年現地での支援活動を行なっています。その目的として、子どもたちに勉強できる空間を提供する、高校受験生のサポートをするということに加えて、何かしらのメッセージや問いかけを通して、子どもたちに何かを残して帰ってくることを挙げています。


当然、毎年1週間かそこらの支援でどれくらい子どもたちに影響を与えることができているのか不安に思うこともありますが、それに関して今年はとても嬉しいエピソードがありました。


それは、去年ある会場でメンバーが勉強を教えた高校2年生の女の子が、3年生になった今年、東京の大学に進学したいということを私たちに伝えてくれたということです。まだ入試はこれからですが、私たちの取り組みが現地の子どもたちの視野や考え方を広げることにつながっていると実感できた一瞬でした。



今年は私たちの話がどう伝わったのでしょうか(東松島市内の中学校にて)





被災地の復興のための活動はまだまだ始まったばかりです。


活動の期間中私たちが宿泊していた東松島市の宿の近くでは、今年ようやく土を運ぶためのベルトコンベアができ、盛り土が始まりました。


また、ある地区では去年見た倒壊家屋が何も変わらない状態でまだ残っていました。



去年と同じ状態の倒壊家屋



これから何年後かに復興の中心を担うであろう子どもたちに、何かを教え伝えることが私たちにできる復興支援の在り方だと考えています。



また、被災地の現状を見ることで私たち自身も学ぶことが多々ありました。


活動の合間を縫い、津波で多くの方が亡くなった石巻の大川小学校を訪れましたが、廃墟になった校舎を見た教員志望の大学生メンバーは「教師は子どもの命を守る職業だということを感じた」と感想を述べていました。



大川小学校跡地を見つめるメンバー 



現地で見て、聞いて、感じたことを普段の学習室の活動、そしてメンバーそれぞれの人生に何らかの形で反映させていければと思います。


今年度の支援活動が成功と言えるかどうかは分かりませんが、メンバーにとって、そして被災地の子どもたちにとって、思い出に残る夏となったのではないでしょうか。


最後に、東松島市教育委員会、石巻市教育委員会の方々をはじめ、今年も多くの方のご支援を賜ったことに感謝いたします。


また来年も、何らかの形で携わることができればと思います。


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