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2013年6月12日水曜日

メンバーが語る学習室 ~轟晃聡さん~

―自己紹介をお願いします。
「ロッキー」こと轟 晃聡(とどろき あきとし)です。
よく間違われますが、「とどろき」学習室を作った人ではありません。
慶應義塾大学商学部を今年3月に卒業し、4月から社会人としてバリバリ働いています。
大学生活ではトロンボーンを吹いていました。あと47都道府県踏破するほど旅行好き。教えることと子供たちとのふれあいが大好きです。
               
―学習室を知ったきっかけと、参加した理由は何ですか?
震災が起きたのが大学2年生の春休みでした。3年生からお世話になる研究会の教授である牛島先生から「とどろき学習室」の立ち上げのメンバー募集の連絡が回りました。

まさかの「とどろき」つながりで運命を感じ(?)、初回から参加しています。
というのは、つかみであって

真面目に申し上げますと、当時震災でバタバタしていた周りの生活。
震災直後は、「あの友達が被災地にボランティアにいった」「これから行くらしいぞ。」「お前はいついくの?」といった会話が多くありました。ある意味、被災地に行くことが「ステータス」としている光景がありました。
私も被災地の人のために何かがしたいという思いの一方で、でもお金もかかるし、学校も行かなければならない。私がもやもやしているときにキャンパスの近くで始まった「とどろき学習室」。これは行くしかないと思いました。
ついでに塾講師や家庭教師のバイトもしていて、昔から教えることが好きだったということも行くきっかけの大きなひとつです。

―普段の学習室の様子はどうですか?
【避難所時代の様子】
とどろき学習室は、避難所として開設されていた「とどろきアリーナ」の体育館の横の会議室で週1回はじまりました。なかなか話す場面がないので、当時避難所で行われたことを書きたいと思います。
震災がおきて1か月あまり。初回の4月30日は今でも忘れられません。
特別に居住スペース(といっても膝下くらいしかない仕切りで区切られているだけ)に学習室の広報を許可していただいて入ったとき、テレビの向こう側、遠い東北でイメージしていた光景がアリーナの体育館には広がっていました。
被災地に赴かなくても自分には東北のためにできることがある。それがとどろき学習室でした。当時のこどもたちは遊ぶ場所を求めて学習室に来る子供たちも多く、いまとはうってかわって遊び場でした。ボールを使ったり、だっこしたり、おんぶしたり・・・。避難所閉鎖がきまった8月末。最後の避難所学習室で、出口まで送ってくれてなかなか帰ろうとしないこどもたちもとても印象深いシーンです。

【現在の学習室】
 武蔵小杉に場所を変えてからは、「勉強」メインでこどもたちとコツコツ勉強しています。真面目に勉強する一方で、普段の学校の生活や流行など聞けるのも楽しいですね。ただただ勉強を教えるだけではなく、年の近いお兄さんと楽しく勉強できるかを考えながら過ごす学習室はとても雰囲気がよくて楽しい空間です。

 ▲大学卒業祝いの手書きのメッセージつきアルバムをもらいました!!

―学習室の好きなところはどんなところですか?
【「第二の家」】
これは当初からテーマとして掲げている言葉です。社会人になり、行くことができていませんが、たまに帰りたくなる家になっている学習室が大好きです。
勉強を教えることが第一義であることは変わりませんが、他愛もない話をこどもたちとするひと時も大事な時間です。家族ではないのに、違う年代の人同士が何も壁がなく話せる空間はこの学習室ならではのステキな空間です。

【みんなで作り上げる学習室】
主宰の鈴木さんの学習室にかける思いは設立当初から頭があがりません。そして、そのまわりのメンバーの学習室への熱意も負けてられないなと感じる場面が多々あります。
毎月行われる全体ミーティング。毎回熱のこもった議論が飛び出します。上級生も下級生も関係ありません。このアツいメンバーがいることが学習室の財産なのではないでしょうか。
もちろん、学習室に来ているこどもたちも忘れてはなりません。クリスマス会、卒業おめでとう会などこどもたちも一緒になってイベントを作る工夫をしています。司会をしたり、ゲームを進めるこどもたちを見ると、大学生と子供たちが一緒になってはじめて学習室ができることを実感します。












▲学習室の大学生メンバーとの出会いも大きな財産です。

【学習室でしか経験できないこと】
好きなこととは離れてしまうかもしれませんが、学習室の活動では普段できないことを経験できた場所でもありました。2つあげたいと思います。

●被災地の学習支援に携われたこと。
この記事でもありましたが、昨年の夏休みに東松島市の学習支援プロジェクトに参加しました。仮設住宅に住む方々、多くのこどもたち、現地の校長先生とお話しできたことが印象的です。

●神奈川県知事の前でスピーチができたこと。
神奈川県の取り組みで、NPO法人が中心となった活動を紹介するイベントに代表でスピーチをすることができました。

















▲東松島市の市報に載りました! 














▲神奈川県知事の前でスピーチ。緊張した


ほかにも他の震災復興の団体や、高校出張授業など、様々な経験をさせていただいております。

―学習室を通して学んだことは?
(震災について、震災以外について両方教えてください)
【「成長」】
 とどろきアリーナで初回から参加している子は当時中3の受験生。その彼女ははやくも高校2年生になりました。避難所での姿とはまた違った姿を見ることができています。会話の内容も高校生らしくなり、このプロセスは息の長い学習室の活動ならではです。他のこどもたちも毎回見るたびにちょっとしたことに気づくことがとてもうれしいです。

【言葉の重み】
 震災の爪痕はまだまだいたるところに残っています。このような文章を書いたり、普段の活動をしたりするにあたり、一番は被災地、被災者の皆様の気持ちを優先した行動・言動が求められています。自分自身も様々な経験をし、学んできました。一つ一つの言葉に気を使うようになったことは(もちろんいい意味で)大変大きな学びになったと思います。

―これから学習室をどのようにしていきたいですか?
【ひきつづき「第二の家」を】
学習室はこの二年間でも様々なことに取り組んできました。学習の場である主軸を中心に、派生した活動をどんどん取り組んでいきたいです。もちろん、このような支援の場がなくなることが本当のゴールかもしれませんが、被災地復興のゴールはまだまだ息を長くしていく必要があります。子供たちのためにも、そして私たちが震災のことを忘れないためにも引き続き活動していきたいです。

【震災の「発信地」になる】
 首都圏で活動している震災関連の団体のひとつとして、ブログ・facebook等を通じて私たちの活動を発信していかなければならないと思っています。自分が学習室の広報担当であるということもあるのですが
 あわせて、こどもたちにも震災について考え発信できる場面も作れたらと考えています。もちろんセンシティブな話題でありますし、タイミングを慎重に見ていかなければなりません。いつか当時の話を聞いて、新たな復興のスタイルを子供たちと考えられる日が来ることを願っています。


 以上つらつらと書いていましたが、ブログを担当する機会をいただき、改めて学習室について考えることができました。引き続き、社会人として学習室を盛り上げていきたいと思います。ありがとうございました。

2013年5月31日金曜日

メンバーが語る学習室 ~松永杏さん~

―自己紹介をお願いします。
 慶應義塾大学文学部3年の松永杏です。横浜に住んでいます。学習室には大学2年のとき(震災後1年)からお世話になっています。趣味は映画を見ること、ダンスエクササイズ。あだ名は杏ちゃん、杏ねえさん!(笑)


―学習室を知ったきっかけと、参加した理由は何ですか?
 慶應大学の「塾生新聞会」に所属していたのですが、そこで先輩が学習室を取材していたのをきっかけに興味を持ちました。ちょうど学習塾のアルバイトをしていて年下の子に勉強を教えるのが楽しかったので、これなら私も貢献できるかなと思ったことです。
 と言っても、震災から1年間はボランティアは全くやっていませんでした。震災が起きた時はちょうど入試を終えた時で、目の前にある大学生活に慣れ、楽しむことの方が優先でした。震災後1年の時テレビで特集を見て、「大学での遊びも落ち着かせて、2年生だしもっと社会に貢献できることがしたい」と思うようになったことが一番の理由です。1年生のときは、不謹慎ですがそんなふうには考えることができませんでした。
被災地のボランティアも興味があったのですが、避難者の抱える現状も被災地と同じく重大だと感じたこと、学習室は学校帰りでも立ち寄れることなどを理由に、学習室を続けていきたいと思うようになりました。


―普段の学習室の様子はどうですか?
 机をコの字型にしてお互いの様子が見られるのですが、みんな真剣に勉強しています。大学生も子供たちも真面目です。もうちょっと雑談したいと思っているのは私だけでしょうか?笑

―学習室の好きなところはどんなところですか?
 子供たちが可愛いところです。これに尽きます。あとは、大学生のお兄さんお姉さんも本当に優しい。大学生にも色んなタイプがいると思いますが、ここの人たちは固すぎずチャラ過ぎず、優しくて真面目で一緒に活動がしやすいです。尊敬できる人ばかりで勉強になることが多い点も魅力です。頑張り屋の子供たちと、大学生メンバーが好きです。


―学習室を通して学んだことは?
(震災について、震災以外について両方教えてください)
震災について
避難者についてまずは知りました。震災の問題というと東北に目が行きがちですが、31万人の避難者のうち、7万人が被災3県以外の土地にいるといいます。東京都に避難者数は約9千人、神奈川県は約2千7百人も居り、神奈川県は千人近くの子供たちがいると言われています。そして、新しい土地にきた避難者のほとんどは単体で行動しているため、孤立していて、情報を共有できるコミュニティがないということなどの問題があることがわかりました。学習室は、子供たちの学習支援だけではなく、保護者さんたちの貴重なコミュニティの場としても機能していると感じています。

また、昨年の夏に学習室のメンバーで宮城県の東松島に行きました。そこで知ったことは、被災地の一側面なのかもしれませんが、被害のあまりの大きさと復興がまだまだ進んでいないということでした。

被災地においても、学習室の子供たちにおいても、みんな元気そうだ、というのがいつも受ける印象です。被災者を弱い者として見ること自体が間違いで失礼なのかもしれません。しかし、阪神大震災のとき子どもたちのPTSDの症状がいちばん見られたのが震災から34年後のことだったというから、まだまだ安らかになったとは言えないでしょう。だんだん周りが明るくなっていく中自分だけが3.11のままで「取り残された感」を抱いてしまう人も出るのではないかという懸念もあるといいます。子供たちの無邪気な笑顔の裏にあるものを忘れないようにしていきたいです。

震災以外について
 勉強の教え方や子供のことから、一つの団体の運営の難しさやイベントの企画や広報のし方など、今日も勉強中です()

―これから学習室をどのようにしていきたいですか?

 もっと多くの方に学習室のことを知っていただき、大学生メンバーも子供も増やしたいです!
 そして、もっと明るく、もっと楽しくしたいです。あと、子供たちの成績を伸ばしたいです。もっとできる!!もっとちゃんと宿題やれ!(笑)

 私は今まで以上に学習室に顔を出す回数を増やしたいと思っています。これからもよろしくお願いします!




【お知らせ】
・見学体験会を開催します!
「とどろき」201366日(木)・8() 1730~案内 1830~体験
「よこはま」201364()7() 17:30~案内 18:30~体験
・震災復興支援報告会を開催します!
2013610() 18:30~ 慶應義塾大学三田キャンパス
報告会宣伝用twitterアカウントhttps://twitter.com/shinsai_houkoku

【学習室公式twitterhttps://twitter.com/todoyokoschool

2013年5月7日火曜日

メンバーによる活動報告 栗生恭輔さん


―自己紹介をお願いします。
横浜国立大学経済学部2年生の栗生恭輔と申します。去年の7月から当団体の活動に参加して、現在はこのブログの管理、よこはま学習室の金曜日の曜日リーダー※を担当しています。(※今年度から新しく創設された係です。担当曜日のメンバー集めやシフト組み、終わりの会の司会などを行います。)
散歩やランニングをするのが好きで、大学を卒業する前にはフルマラソンを完走してみたい!と秘かに思っています。

―学習室を知ったきっかけと、参加した理由は何ですか?
ぼくは生まれてから高校を卒業するまでずーっと宮城県に住んでいました。(ちなみに震災時は高2でした。)関東の方の大学に入学することになって宮城を出たのですが、いざ出てみると「こんなタイヘンなときに宮城を出てきてしまって果たしてよかったのだろうか?」と思い悩みました。関東に住みながらも地元の役に立ちたい!けど震災ボランティアとして毎週末現地に行くのは金銭的にも体力的にもタイヘン、、、と考えていた時に、同じ高校の友達がフェイスブックで当団体の活動をシェアしているのを見つけました。「現地以外にもニーズはあるんだ!」ということに気づき、また継続的に支援を行えるということで、当団体の活動への参加を決めました。

―普段の学習室の様子はどうですか?
雰囲気はとてもアットホームな感じでイイですよ!学年関係なく車座になって学習するので、子どもたちも大学生を見本にするだけではなく、1コ上、2コ上の友達の姿勢を見本にして学習します。時には子どもたち同士で勉強を教えあったりすることもあります。また、学習室に来る子は勉強をガッツリしたい子、大学生や友達に話を聞いて欲しい子などみんなが同じ方向を向いているわけではないので、大学生がその子その子に合った対応をしています。このようなことは普段の学校や塾といったところではなかなかできないようなことだと思いますし、学習室のイイところだと思っています。

―学習室の好きなところはどんなところですか?
子どもがみんな素直
学習室に来る子はみんなとても素直です。しゃべるときはしゃべりまくるけど、一度勉強を始めるときちんと集中してやり通します。こちらから言わなくても自発的にやってくれるようになるともっとイイですけどね!(笑)
大学生メンバーが優秀
学習室の大学生メンバーは楽しく勉強できるような工夫ができたり、子どもの心情を察したり、子どもたちにとっていいお兄さん役、お姉さん役になることが上手な方ばかりです。支えるときは支えてあげる。気合が足りないときは気合を入れてあげることができる方が多いからこそ、子どもたちも毎回来てくれているのだと思います。そういった点で、「優秀」な方がとても多いなと感じます。

―学習室を通して学んだことは?
(震災について、震災以外について両方教えてください)
[震災について]
うだうだ考えすぎないで、行動してみることです。もちろん被災者の心情はきちんと考えて行動しなければいけませんが、「支援のあるべき姿」などについて延々と考えていても現状は変わりません。学習室の企画だって成功しているものもあれば、当初の目的とは少し違った形で継続して行われているもの、1回やそこらでボツになったものもあります。できる限りのリスクヘッジをした上でなら、みんなが楽しめる・喜べると思ったものをどんどん提供していっていいのだと思います。ダメだったら引っ込めればいいという発想で。ちょっと言い過ぎで軽率とも取れる表現かもしれませんが、頭でっかちな傾向にあるぼくにとっては、このぐらいのメンタリティでいいんだと感じました。
また、継続して活動することがいかに大事かということも身を持って学びました。何回も子どもたちの勉強を見ていると、その子との間に信頼関係が生まれます。この信頼関係は子どもたちを指導していくうえで不可欠です。また、その子の心身の調子の変化なんかも分かりやすくなり、より効率的な指導ができるようになります。
[震災以外について]
子どもたちからも大学生メンバーのみなさんからもいろいろなことを学んでいます。毎回部活でクタクタになりながらも遠いところから来て文句ひとつ言わず黙々と勉強を頑張る子どもの背中を見て奮い立たされることだってありますし、大学生メンバーの行動力、企画力を目の当たりにして「自分もあんな風になりたい!」と思うことだってあります。学んでることの多さでいえば、学習室の運営で大学生メンバーと意見を交わしていく中で学ぶことが多いです。

―これから学習室をどのようにしていきたいですか?
神奈川の方に避難してきている子どもたちがもっと多く当団体で勉強を学べる環境を作っていきたいと思っています。そのためには、ぼくが管理しているブログはじめ、学習室のフェイスブックやツイッターでもっと広報に力を入れて協力してくださる方々を呼び込みたいと考えています。また、高校生になった子どもたちも多いので、その子たちが将来しっかりと自分の足で自分の人生を歩んでいけるような力をつけられるようなことも企画していきたいと思います。そのためにはまずぼくが自分の足で自分の人生を歩んでいけるような力をつけて子どもたちの見本になれるようになりたいです。

2013年4月25日木曜日

メンバーが語る学習室 熊崎瑛美さん


メンバーによる活動報告
文責:熊崎 瑛美
はじめまして。私は慶應義塾大学法学部1年の熊崎瑛美です。大学では中学生から続けているテニスをしています。
私が学習室を知ったのは、高校3年生の10月頃です。受験が終わり、特にやることが無くなってしまった時に同じく受験が終わった友達から学習室のことを聞きました。私は高校生の時から、ボランティアをやっていたのですが、震災関連のボランティアはやったことがないので、自分にできることがあれば役に立ちたいと思い始めることにしました。
学習室は小さいながらもしっかり勉強しようという意志を持った子どもが多いように思います。受験などのそれぞれの課題や目標を持っている子どもたちが勉強するのを見て私自身刺激をうけます。子どもの成長も見守るのはもちろんのこと、子どもたちに向き合うことで、自分も成長できる学習室だと思います。私は始めたのが高校生の時だったので、年齢差が少ない分、ためらうことが多かったのですが、今は子どもに合わせて勉強を教えてあげられるようになりました。
わたしには子どもたちに勉強を教えることしかできませんが、それが子どもたちの役に立てるのであれば、精一杯学習室の活動を手伝いたいと思います。そして、勉強だけでなく心の面までケアできるように頑張りたいと思います

2013年4月9日火曜日

メンバーが語る学習室 新田あゆみさん



 


 写真:大学卒業のときに学習室メンバーから貰った色紙とリスマス会で子どもが作ってくれた名札


―自己紹介をお願いします。
新田あゆみと申します。この4月から社会人2年生です。発足時から、細くではありますが永く携わらせて頂いています。実はイベント係創設者だったりします。


―学習室はどのようにして知ったのですか?
20113月、震災直後に先輩メンバー林さんに『教科書とかノートとか、持ってない?』と聞かれたことがきっかけです。何のことだろうと話を聞いてみたところ、避難所で学習室を作ろうとしている、そのためにまずはその教材を探している、とのこと。早速自宅にあった教材や文房具をお送りし、同時にここで末永く活動していこうと決めました。


―この学習室で活動しようと思った理由は何ですか?
何かをしたいという気持ち、なじみのある場所、誘ってくれた林さんへの信頼といったあたりが決め手かもしれません。
(※なじみのある場所……小学生のころ武蔵小杉近辺に住んでいた私にとって、等々力アリーナや競技場は身近な場所でした。父や弟と遊びに行ったり、かながわ国体を見に行ったり。そんな小さなころの思い出の場所が、避難所になっている…その事実を知って、立ち上がるほか選択肢はありませんでした。その後、学習室の移転先となった『小杉こども文化センター』(=通称こぶん)も小学生のころよく遊びに来た思い出の場所です)


―学習室の好きなところはどんなところですか?
沢山ありますが、特にこの学習室が『優しさ』と『自発性』によって創られている、というところが一番好きです。
1.『優しさ』
場所を提供してくれる方、協力して下さる方、参加する大学生だけでなく、集まってくる子どもたちも思いやりのある子ばかりです。そんな優しさによって、この学習室は存続しています。
2.『自発性』
学習室に関わるすべてのひとは、自発的に集まっています。主体となって活動しているひとたちが『一方的に提供する』というものではなく、『力になりたい』『行ってみたい』『勉強したい』『話したい』…抱いている気持ちやきっかけは様々ですが、活動者も子供たちもみんなみんな、自分の頭で考えて、自分の足で学習室に来て、この空間を創り上げているのです。


―学習室において心掛けていることや、こういうふうにしている!というものはありますか?
前述したように、学習室は子どもたちも含めて『みんなで創り上げていく空間』だと思っています。また、私は勉強の根底には『考えること』があり、そしてそれは日々を過ごすにあたってもとても大切なことだと考えています。
そこで、この学習室は『学習』がコンセプトであっても、単なる勉強の場所としてではなく『一緒に』考える場、『自ら』考えることのできる場としての空間でありたい、そんな心がけをもっていつも活動しています。

『このお城はどうしてできたの?』『フレミングの法則って変な名前じゃない?』『なんで物の単位がいっぱいあるの?』『なんでこんなペンを持ってるの?』『なんでノートはきれいに書かないといけないの?』……どうしてかな?私はいつもそう答えます。私は、こう思っているけど〇〇くんは、〇〇ちゃんはどう思う?
子どもたちは勉強に直接かかわりのないような疑問を持ち込むこともあります。『僕は小さい子が好きだから、将来保育の仕事とか向いてるかなぁ』『やっぱり字がきれいなほうがよくない?』……そうね、いいかもしれないね、でもなんでそう思うのかな?

問いかけてみると、子どもたちは既に色々と考えてその疑問を持っていることがわかります。しかしながら、『こう考えているから、自分はこれを不思議に思ったんだ』ということを自覚していないことも多かったりします。そこを気づかせてあげれば、どんどん自分で進んでいく場合がほとんどです。
だから私は、子どもが考え始めたら、勉強のことに直結しなくても、一緒に考える、あるいはしばらく静かにして様子を見るようにしています。(私が担当すると、なかなか勉強が進まないのはこのせいです)

無限の可能性を有した子どもたちが、『どうして?』をきっかけに、学習室内外で大きく羽ばたいてくれたなら、私たちにとっても非常に嬉しく幸せなことです。そのきっかけとしての扉を開くお手伝いをするつもりで、普段の学習室で私は過ごしています。


―毎回の学習室で必ずすることはありますか?
『ありがとうございました』を全員で言って終わります。きちんと姿勢を正して、小学生から大学生、オーバーエイジ枠(笑)の私たちまで全員が声を出して言うのです。適当に口に出しているだけのひともいるかもしれませんが、私はこの瞬間が大好きです。勉強を教えてくれてありがとう、説明をきちんと聞いてくれてありがとう、ここに来てくれてありがとう、元気でいてくれてありがとう。


―学習室を通して学んだことは?
学習室を通して学んだこと…とは少し違うかもしれませんが、学習室に参加して、考え続けていることを挙げます。ひとつめ、人間はひとりひとり違うということ。ふたつめ、私はまだ何もわからないな、ということ。このふたつです。

1.みんな、違う
ひとくくりに震災といっても、学習といっても、そこから感じたことや受けた影響、感情の行先、行動、考え方や取り組み方は十人十色です。当たり前のことかもしれませんが、それを強く強く感じるのです。
2.わからない
支援ってどんなこと、絆ってどんなもの、強いとか弱いってどう違うの、義務って何、逃げるって何、優しさって何、幸せって何???わかりません。どんどんわからなくなっています。そもそもこういうことや震災のことに関して私が軽々しく『わかる』と言っていいものではない、と強く感じることも多く、無力感に苛まれます。


―「支援」に対してどんなことを考えていますか?
『してあげる』ものではなく『する』ものです。
そして……何らかの支援を求めているひとたちに対して、簡単に、わかるなんて言えないものです。実際に経験したり、その中にいるひとでないとわからない。でも、わかろうとすることは自分次第で出来るのです。きちんと自覚をもって、まずは求められたことに応じる。一緒に考える、悩む、わかろうとする。それが、『支援』への一歩なのだろう、そんなことを思っています。


―これからの学習室に関わっていくにあたって、こんな姿勢で臨みたいとか意気込みなどありましたら教えてください。
そうですね……まだまだ未熟な私にとっては、世の中わからないことだらけです。頑張っても、報われないことがあります。努力しても、誰かがそれを持って行ってしまうこともあります。いい子にしていても、失ったものが返ってくるわけでもありません。やりきれない気持ちだけを抱えて途方にくれるばかりです。
だから、諦める?いいえ私は、頑張ろう、と思います。頑張っていたら、その先に何かが待っているかもしれません。前の記事で吉田愛美さんも書いている『がんばり過ぎない』スタンスで、この学習室で永く永くお手伝いをしていきたいです。

書き始めたらまとまらず、こんなに長くなってしまいましたが、このブログに来て下さって、読んで下さって『ありがとうございました』

2013年3月14日木曜日

メンバーが語る学習室 稲垣拓さん


―「とどろき・よこはま学習室」活動報告第2弾。今回は、学習室メンバーの中でも古株の1人、慶應大学法学部政治学科2年生の、「たくぼー」こと稲垣拓さんにお話を伺います。稲垣さん、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

―今ご紹介した通り、古株とのことですが。

僕は学習室が発足した次の月(20115月)の末から活動に参加させていただいたので、もう1年半以上になりますね。「とどろき」の方を中心に行っております。全体の中では「教務係」をやらせていただいて、普段の学習を中心に子供たちのことを見たり、学習室の運営に関わったりしています。

―そんな稲垣さんが活動に参加したきっかけは何だったんですか。

初めてこの活動を知ったのは、日吉の学事前でチラシを見た時です。でも、まだ一人暮らしを始めて間もない頃だったので、自分の生活のことで頭がいっぱい。興味はあったけど、チラシは元の場所に戻しました。
それから半月ぐらいして、少人数授業の先生が、授業中に同じチラシを配ったんですよ。それがきっかけになりました。でも、貰ってからも、迷いはありましたよ。

―迷いというのは…?

「ボランティアをできる資質があるのか」っていう迷いです。兵庫県出身の僕は、3.11は肌では感じませんでした。だから、被災者の気持ちが分かる気がしなかった。その上、接するのは子どもっていう、最もデリケートな存在じゃないですか。正直、接し方が分かりませんでした。

―それでも参加されたのは何故ですか。

不思議なもので、チラシを貰った2日後ぐらいに、「とにかく行動してみよう」と思ったんです。悩んでいてもしょうがないから、やってみようと。今だってこんな思い切った決断なかなかしないのに()、あの時そう思えたのは、何かの縁だったのかもしれませんね。

―なるほど。ところで、普段の活動はどんな様子ですか。

普段は、勉強の為に机と座布団をセットして、子供たちが来たら順次時間まで教えていく、時間が来たら終わりの会をして後片付けという流れです。

―教える時間って、全部で2時間ぐらいありますよね。

それをどう使うかが問題ですね。2時間ぶっ続けは集中力が持ちにくい。だから適度に休憩を入れます。以前は時間割を作ろうという話も出たんですが、結局11人に合わせているとタイミングもバラバラです。教えている子に合わせて対応します。

―活動中の雰囲気はどうですか。

すごくイイですよ! 僕はホントに好きです。何というか、変な緊張感がない。和気藹々とした雰囲気の中で勉強できるのは、子供たちにとってはいいんじゃないかなと思ってます。

―でも、緊張感がなさすぎるのも問題じゃないですか。それに、休憩のタイミングがバラバラだと、騒がしくなっちゃいますよね。

確かに、そのことは以前メンバーからも指摘されたことはありますし、僕自身疑問に思うこともあります。でも、僕らの目的が「勉強を教えること」だけでなく、「居場所を作ること」でもあるので、むしろ多少賑やかな方がいいかなと、今は考えています。

―居場所、ですか。

避難してきている人たちにとって一番の問題は、コミュニティの問題だと思うんです。故郷から離れた場所に、それも不本意で来ているので、どうも馴染めない子が多いみたいです。そういう子たちにとっては、似たような境遇の子達が集まれる場は、少しでもいい居場所になるのではないかと。
普段の活動中は、さっき言ったように賑やかなことが殆どなので、僕ら自身もそのことに気付かなかったり、忘れてしまったりすることが往々にしてあります。でも、彼らが背後に抱えているものにまで目を向けないと、本当の意味での活動は難しい。僕も人の気持ちを汲み取るの下手なんですけど、折に触れて思い出すようにしています。

―「学び」というと頭を使って、「居場所」というと心を使う感じがしますね。

正直言って、その2つを両立させるのはかなり難しいです。すぐにバランスが崩れてしまう。だから、普段活動をしながら、時々振り返ることが大切ですね。ただ、ね…

―どうしたんですか?

いや、子供たちにとって居心地のいい場所って、僕らにとっても居心地良かったりするんですよ。だから、ついつい僕が活動を楽しんじゃって、活動目的そっちのけになりかけちゃう() 自分にとっても良いものなんで、反省の目を忘れそうになるんですよね。

―逆に言うと、それぐらい魅力的な場所が仕上がるってことですよね。

そうですね。最近では、「あ、コイツ楽しんでるな」と思える子供も増えていて、それがまた嬉しいです。それも全部含めて、僕は学習室の活動が好きですね。

―そろそろ後半になりますが、稲垣さんが活動を通じて学ばれたことを教えていただけますか。まず、震災関連でお願いします。

さっき挙げた居場所の問題もそうですし、子供たちの情緒の問題もそうですけど、僕が震災について持っているイメージ、知り得た知識の半分以上は、この活動を通じて学んだ気がします。
「教務係」という役職にしてもそうですけど、元々僕は教育に関心のある人間で、被災者支援よりそっちの方を優先して考えてきた所があるんです。参加したての頃なんかは、子供たちについても、被災者というよりは、「とにもかくにも逃げてきて、経済的に困窮している人」というイメージを持っていて、格差社会の問題に結びつけて見ていました。

―ということは、被災者という観点ではあまり見ていなかった…?

恥ずかしい話ですが、そういう所がありました。それが変わったのは、つい最近のことです。他のメンバーと話をしたり、代表の鈴木さんから子供たちの様子を聞いたりするうちに、震災と言うのが、他の社会問題と単純に結びつけて考えてはならない、特別な問題なんだと気付くようになったんです。
それを分けるポイントは、子供たちが負っている、目に見えない傷なんだと思います。この傷は、既に言ったように、なかなか僕らの側も気付けない。だから、しっかり見ていかなければいけないんだと思います。
震災関連でもう1つ言うべきことがあるとしたら、「震災は東北だけの問題じゃない」ってことですね。

―と言いますと?

マスメディアの多くは、震災の問題を東北の問題にしてしまう。勿論、東北の問題は重大な問題です。ただ、1つ言えるのは、僕にとっては目の前の問題が、よりリアルな震災の問題なんです。けれども、そこにはなかなかスポットが当たらない。それがどうにも歯がゆいんですよ。だから、これから情報発信もしていかなければいけないと感じています。

―なるほど。続いて、震災以外のことで学ばれたことは何ですか。

それも、挙げればキリがないような気がしますね。子供たちとの出会い、大学生メンバーとの出会い、どれを取っても学びにつながるものですから。
年頃ということもあって勉強に精が入らない子が多いんで、教えるのは結構今でも苦労します。なんだかんだ言って、勉強の方で効果を上げられなかったら意味がないと思ってますから、そこの工夫は考えます。塾講師の経験や教職課程の授業で学んだことを活かしていこうと、いつも思っています。
メンバーとの関わりの中では、組織としての活動の仕方なんかを中心に、僕も学習してますね() 日常生活の中でモデルにしたいなと思う人に出会うこともありますよ。

―最後になりますが、今後学習室をどのようにしていきたいですか。

今考えていることは2つです。1つは、情報発信を強化すること。僕らの活動について、それから、東京・神奈川に避難している被災者の現状について、もっと周りに伝えていかなきゃいけない、そう思っています。ブログやSNSの活用もそうですが、機会があれば、ワークショップみたいなものに参加して伝えていきたいですね。

―もう1つは何ですか。

子どもたちの打ち込めるものを探すことですね。代表の鈴木さんもおっしゃってるんですが、彼らの中に何か1つでも打ち込めるもの、特に将来につながりそうなものがあれば、と思うんです。そういうものに出会うことで、勉強の方にも成果が出るんではないかと思っています。

―分かりました。今回はどうもありがとうございました。

ありがとうございました。

2013年3月7日木曜日

メンバーが語る学習室 吉田愛美さん


今回はこれから連載していく「メンバーが語る学習室」という企画の第一回記事です。
この連載では当団体のメンバーが学習室の様子を伝えるとともに、それぞれの学習室に対する想いを綴っていきます!





―自己紹介をお願いします。

大学三年、就職活動真っ最中の吉田愛美(まなみ)です。学習室では会計係、合宿係を担当しています。

 
(上)いつも身につけている名札と、夏に東松島市へ学習支援に行った際、ある女の子からもらった絵。

―学習室を知ったきっかけと、参加した理由は何ですか?

【現地には行けないけれど、の答え】
震災当時、大学一年生だった私は、大学のある神奈川で暮らしていました。震災直後は、一刻も早く地元である福島県いわき市に帰って、手伝いをしたいと考えていましたが、「放射線量が高いから絶対にダメ」と母に説得され、東京で募金活動や、風評被害を受けた地元の野菜販売を手伝ったりしていました。
現地には行けない。けれど、他にも自分にできることはないか・・・インターネットで検索をしていたとき、たまたま見つけたのが「とどろき学習室」でした。

【メンバーとして登録してから7ヶ月後、初めて学習室へ】
そのまますぐにメンバーとして登録したのですが、しばらくは行く気になれませんでした。震災によって思い出や家や家族を失った友人や知り合い・・・これらの人々は決して自分にとって関係のない人ではありません。今考えれば、そのような震災を経験した当本人である子どもたちと向き合うことに、「不安」と「恐怖」を感じ、行く勇気が持てなかったの
だと思います。ですから、意を決して初めて学習室に行ったとき、そこに「笑顔」の子どもたちがいてくれて、本当に嬉しかったです。

―普段の学習室の様子はどうですか?

【自分のペースで頑張る。自由に懸命に】
学習室では特に「やるべき」ことは決まっていません。子どもたちは「やりたい」勉強を持ってきます。同じ学年の子どもを同時に見ることもありますが、日によっても、個人によってもペースはさまざま。それでも確実に成長している子どもたちを見ていると、自分のペースで、でも確実に前進していけばいいのだと気づきます。
そんな自由な雰囲気の中なので、時々笑い声も聞こえてきますが、子どもたちはいたって真剣。時には休憩するのも忘れて勉強を頑張る子もいます。


(上)大学生と子どもたち、1対1から1対2で勉強しています。

―学習室の好きなところはどんなところですか?
【子どもたちの姿に元気、もらっています】
好きなところがありすぎて、挙げきれませんが、ざっと5つ。
その1、好きな時に行けるところ。
時間がとれなくてしばらく行けなくても、子どもたちが待っていてくれます。
その2、同じ思いを持った仲間がいるところ。
震災のことを考える時間がどんどん少なくなっている気がするこの頃。震災について思うこと、これから何ができるか・・・同世代と色んな思いを共有できる場所です。
その3、がんばりすぎないスタンス。
上にも挙げましたが、学習室のスタンスは子どもたちのやる気に合わせること(もちろんナマケ者には喝を入れますが)。でも、何やれこれやれ、と指示しなくても、大人が思っている以上に子どもは自分で考えられるもの。「今日は何やる?」から始まる学習室のスタン
スが好きです。
その4、子どもたちとの距離が近い。
塾講師をしていた私にとって、生徒は距離を置くべき存在。でもその距離感にじれったさを感じることも。学習室では、イベントをしたり、好きなアイドルや恋愛の話をしたり、近い距離で子どもたちと接することができます。
その5、子どもたちが頑張っているところ。
子どもたちの頑張っている姿は、自分の頑張りにもつながっています。


(上)笑顔と元気をもらっています!

―学習室を通して学んだことは?
(震災について、震災以外について両方教えてください)
【被災者をナメるな】
辛かったよね、悲しかったよね。時には同情し、寄り添うことは大事かと思います。けれど、彼らは決して弱い存在ではないと気づかされています。彼らは絶対に立ち上がるし、それを信じて応援し続けたいと思っています。
【何かを続けることの大切さ】
ある動画サイトで見た、「一度きりなら邪魔するな」という福島県民の言葉が忘れられません。一度被災地に来て、見ただけでは何も変わらないというメッセージです。私も、戦い続ける彼らに一度向き合ったからには、共に「悩み」「考える」ことを続けていきたい。震災に限らず、誰かを応援する際に忘れてはいけない姿勢だと思います。

―これから学習室をどのようにしていきたいですか?
【このままで、これからも】
このままの学習室が好きです。だからこそこの場を守っていきたい。そして可能ならば、関東近郊で「○○学習室」を必要としている子どもたちのために、学習室の場を広げていきたいです。