2013年3月7日木曜日

メンバーが語る学習室 吉田愛美さん


今回はこれから連載していく「メンバーが語る学習室」という企画の第一回記事です。
この連載では当団体のメンバーが学習室の様子を伝えるとともに、それぞれの学習室に対する想いを綴っていきます!





―自己紹介をお願いします。

大学三年、就職活動真っ最中の吉田愛美(まなみ)です。学習室では会計係、合宿係を担当しています。

 
(上)いつも身につけている名札と、夏に東松島市へ学習支援に行った際、ある女の子からもらった絵。

―学習室を知ったきっかけと、参加した理由は何ですか?

【現地には行けないけれど、の答え】
震災当時、大学一年生だった私は、大学のある神奈川で暮らしていました。震災直後は、一刻も早く地元である福島県いわき市に帰って、手伝いをしたいと考えていましたが、「放射線量が高いから絶対にダメ」と母に説得され、東京で募金活動や、風評被害を受けた地元の野菜販売を手伝ったりしていました。
現地には行けない。けれど、他にも自分にできることはないか・・・インターネットで検索をしていたとき、たまたま見つけたのが「とどろき学習室」でした。

【メンバーとして登録してから7ヶ月後、初めて学習室へ】
そのまますぐにメンバーとして登録したのですが、しばらくは行く気になれませんでした。震災によって思い出や家や家族を失った友人や知り合い・・・これらの人々は決して自分にとって関係のない人ではありません。今考えれば、そのような震災を経験した当本人である子どもたちと向き合うことに、「不安」と「恐怖」を感じ、行く勇気が持てなかったの
だと思います。ですから、意を決して初めて学習室に行ったとき、そこに「笑顔」の子どもたちがいてくれて、本当に嬉しかったです。

―普段の学習室の様子はどうですか?

【自分のペースで頑張る。自由に懸命に】
学習室では特に「やるべき」ことは決まっていません。子どもたちは「やりたい」勉強を持ってきます。同じ学年の子どもを同時に見ることもありますが、日によっても、個人によってもペースはさまざま。それでも確実に成長している子どもたちを見ていると、自分のペースで、でも確実に前進していけばいいのだと気づきます。
そんな自由な雰囲気の中なので、時々笑い声も聞こえてきますが、子どもたちはいたって真剣。時には休憩するのも忘れて勉強を頑張る子もいます。


(上)大学生と子どもたち、1対1から1対2で勉強しています。

―学習室の好きなところはどんなところですか?
【子どもたちの姿に元気、もらっています】
好きなところがありすぎて、挙げきれませんが、ざっと5つ。
その1、好きな時に行けるところ。
時間がとれなくてしばらく行けなくても、子どもたちが待っていてくれます。
その2、同じ思いを持った仲間がいるところ。
震災のことを考える時間がどんどん少なくなっている気がするこの頃。震災について思うこと、これから何ができるか・・・同世代と色んな思いを共有できる場所です。
その3、がんばりすぎないスタンス。
上にも挙げましたが、学習室のスタンスは子どもたちのやる気に合わせること(もちろんナマケ者には喝を入れますが)。でも、何やれこれやれ、と指示しなくても、大人が思っている以上に子どもは自分で考えられるもの。「今日は何やる?」から始まる学習室のスタン
スが好きです。
その4、子どもたちとの距離が近い。
塾講師をしていた私にとって、生徒は距離を置くべき存在。でもその距離感にじれったさを感じることも。学習室では、イベントをしたり、好きなアイドルや恋愛の話をしたり、近い距離で子どもたちと接することができます。
その5、子どもたちが頑張っているところ。
子どもたちの頑張っている姿は、自分の頑張りにもつながっています。


(上)笑顔と元気をもらっています!

―学習室を通して学んだことは?
(震災について、震災以外について両方教えてください)
【被災者をナメるな】
辛かったよね、悲しかったよね。時には同情し、寄り添うことは大事かと思います。けれど、彼らは決して弱い存在ではないと気づかされています。彼らは絶対に立ち上がるし、それを信じて応援し続けたいと思っています。
【何かを続けることの大切さ】
ある動画サイトで見た、「一度きりなら邪魔するな」という福島県民の言葉が忘れられません。一度被災地に来て、見ただけでは何も変わらないというメッセージです。私も、戦い続ける彼らに一度向き合ったからには、共に「悩み」「考える」ことを続けていきたい。震災に限らず、誰かを応援する際に忘れてはいけない姿勢だと思います。

―これから学習室をどのようにしていきたいですか?
【このままで、これからも】
このままの学習室が好きです。だからこそこの場を守っていきたい。そして可能ならば、関東近郊で「○○学習室」を必要としている子どもたちのために、学習室の場を広げていきたいです。
 

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